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リヨン発、ワインツーリズムへ

  • 執筆者の写真: Midori Murai-Perrot
    Midori Murai-Perrot
  • 2 日前
  • 読了時間: 4分

更新日:17 時間前

黄金に輝く秋の葡萄畑
黄金に輝く秋の葡萄畑



はじめまして、Midoriです。今日は少し自己紹介をさせていただきます。

私のワインツーリズムに至るまでの小さな歴史ですので、少し長くなりますが、

読んでいただけると嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。


音楽留学、フランスへ


フランスに来たきっかけは、リヨン国立高等音楽院への留学でした。専攻はフルートです。

フランスのフルーティストが奏でる音楽が大好きで、フランスで学びたい!という強い思いと素晴らしい先生とのご縁に恵まれて、日本の大学を休学してフランスに出発しました。

最初の滞在先はパリでしたが、到着して初めての朝は真冬のとても寒くて暗ーいパリの朝、でもそこにいられる喜びと感動で涙が出たのを今でも覚えています。


その後、努力の甲斐あり、大変な入試を突破して、めでたくコンセルヴァトワールの学生となることができました。語学の壁、周りの天才たちに囲まれてのスランプなど、大変な日々でしたが、恵まれた環境の中で充実した学生生活を送ることができました。

卒業後、夫と家庭を築き子どもが生まれると、リヨンは私の大切な居場所になっていきました。そしてその思いは、2年間夫の仕事で東京に滞在した事により一層強いものとなり、今後リヨンで生きていく覚悟が決まったような気がします。



ワインとの出会い


東京滞在中に「フランスに戻る前にワインの知識をつけたら、帰仏後はもっとフランス生活が楽しいものになるのでは」と思い立ち、当時愛宕にあった田崎真也さんのワインサロンの門を叩きました。「フランス語ができるのなら、ソムリエ協会ワインエキスパート受験コースで頑張ってみませんか?」という先生のお言葉につい受講を決めてしまいましたが、受講内容はなかなかハードで、小さい子供がいる私にとってはハードルが高いものでしたが、今ではあの時の先生のアドヴァイスにとても感謝しています。


世界中のワインの勉強はもちろんですが、授業の最後にあるソムリエの先生のデギュスタシオンの時間が大好きでした。それまでワインを味わうことを知らず、なんとなく飲んでいましたが、ソムリエの試飲はとても詩的で、デリケートで正確なアナリーゼのコメント、明確にミレジムと産地、ブドウ品種を引き出していく過程は感動のひとときでした。


フランスに戻ってからは、様々な試飲会に参加したり、ソムリエが企画するデギュスタシオンで学ぶうちに、フランスのワイン文化の深さに魅了されていきました。その中でも私が本当に惹かれたのは、ワインを通して出会うことのできる産地の歴史、文化、そしてテロワールに基づいて出来上がったその土地の食文化との密接な関係です。

それはまるで、目の前のグラスのワインからフランス中を旅しているような気持ちにさえなり、日常を少し離れて感じることのできる至福の時間でした。


ヴィニュロンとの出会い


現在は複数のワインコンクールの審査員として参加していますが、コンクールで出会うワイン生産者やワイン関係者との会話を通じて、彼らに薦められたワイナリーを訪れるようになりました。そこでヴィニュロン(ワイン生産者)の仕事への情熱と哲学に触れました。


畑の一区画、ブドウ栽培に込められた想い、醸造・熟成の際の気配り、気候や土壌との対話、そして自然への深い敬意。ワインは単なる飲み物ではなく、その土地の歴史と文化そのものなのだと気づきました。


この感動をもっと深く理解し、たくさんの人に伝えたいという思いから、ブルゴーニュ大学でワインツーリズムのディプロムを取得しました。このディプロムの名前はまさに「Vin, Culture et Oenotourisme(ワイン、文化とワインツーリズム)」です。この名前に共感し、受講を決めました。



リヨンから始まるワイン旅


ワイナリーはリヨン近郊にあり、お客様をご案内するには車が必須です。その度に運転手やUberを頼むのではなく、もう少し自由に、そして安心してお客様をご案内したいと思い、昨年プロドライバーの免許を取得しました。

リヨンは、ワイン愛好家にとって理想的な場所です。北にはブルゴーニュ、南にはローヌ渓谷、西にはボジョレー、東にはサヴォワ。

素晴らしいワイン産地が、すべて日帰り圏内にあります。


ヴィニュロンとの対話、美しいブドウ畑の風景、そしてその土地ならではのグルメ。

在仏30年の経験とワインへの深い愛情を込めて、皆様を特別な場所へとご案内します。

これからこのブログでは、リヨン周辺のワイン産地の魅力、おすすめのワイナリー、その土地の歴史やグルメ情報などをお届けしていきます。

美食の都リヨンから、ワインツーリズムの世界へようこそ。



次回は、リヨンから北上して1時間、南ブルゴーニュ、マコンの西側にあるPouilly-Fuisséの魅力についてご紹介します。

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